最近では、一般的に個人間融資という言葉を耳にする機会がたくさんあります。
一般的な銀行融資では、お金を借りるまでに審査が必要となり、融資を受けるまでの日数がかかるケースも少なくありません。
また、消費者金融でも同じことが言え、少額であれば短時間で融資してくれることもありますがこちらも審査が必要であることに変わりはありません。
しかし、個人間融資では完全に個人が運営しているスタイルであるため、銀行や消費者金融と違って融資するにあたっての審査などは必要ないケースもあります。
それだけ、個人に与えられている裁量権が大きいため、迅速な対応を可能としているのです。
一方、個人間融資だからこそのリスクがあることも適切に理解しなければなりません。
「美しい花には棘がある」と言いますが、個人間融資についてもさまざまなリスクがあるのです。
本記事では、個人間融資のリスクについて詳しく説明します。
個人間融資とは
個人間融資とは、消費者金融や銀行などを活用せずに一般的な個人から融資を受ける仕組みです。
一般的な個人としては、身近なところでは友人・知人・家族などが該当します。
一昔前では、個人間融資と言えば上述したような間柄の人たちから融資を受けることが一般的でした。
しかし、昨今ではインターネットの普及に伴い、さまざまな形で相互方向にアプローチできます。
そのため、全く面識のない人から個人的に融資を受けるケースも珍しくありません。
このように、「個人間融資」とは昔から存在するお金を借りるための仕組みではありますが、最近では「個人」の枠組みが友人・知人・家族などに限らず全く知らない人にまで拡大している現状にあるのです。
個人間融資のリスクとは
個人間融資は、銀行融資や消費者金融からの融資と比較すると、さまざまなメリットがあります。
例えば、融資するまでの時間が非常に速い・審査が必要ない・銀行や消費者金融からはブラックリストに掲載されているため融資を受けることができない人でも利用可能であるなどが挙げられます。
当然、大きなメリットを享受することは大切ですが、そこに潜んでいるリスクを正確に認識しておかなければ大きな損害を被ることになります。
ここからは、個人間融資に関するリスクについて解説します。
高い金利を請求される
お金を借りるということは、そこに必ず利息が生じます。
利息が発生しない例外は、国や自治体がさまざまな理由から妥当性を判断した結果、融資をしても問題ないという判断に至った場合です。
そのようなケースでは、無利息で融資を受けることができます。
大切なポイントは、国や自治体は儲けをだすことを前提としていない非営利団体であるからこそ無利子で融資をすることが可能であることです。
消費者金融・銀行融資・個人間融資は非営利団体ではありません。
事業を続けるにあたり、人件費や建物営繕費などさまざまな経費を支払わなければ事業継続することができませんので、必ず儲けを出さなければなりません。
従って、お金を融資して返済してもらう時には儲けである金利を上乗せする必要があるのです。
金利は、出資法と利息制限法によって基準が定められています。
消費者金融・銀行融資・個人間融資のすべてにおいて、お金を融資すること生業としているのであれば出資法と利息制限法を遵守しなければなりません。
出資法および利息制限法では、融資する金額によりますが最大20%までの金利を設定することができます。
また、お金を融資するのであれば、前提論として貸金業法が適用されます。
貸金業法は継続的にお金を融資するのであれば適用されますが、個人間融資のように継続的にお金を融資することを前提としていない場合は適用されません。
個人間融資で「お金を融資することを生業としていない」のであれば、最大109.5%までの高い金利を設定することが可能です。
例えば、100万円の融資を受けて年109.5%の金利を適用して返済すると、1年後には209万5千円必要となります。
このように、融資を受けた2倍以上のお金を返済しなければならないため、非常に高い金利設定であると言えます。
個人情報の悪用
個人間融資を受けるにあたり、住所・名前・生年月日・電話番号などの各種個人情報の提示を求められるケースがあります。
銀行融資や一般的な消費者金融で個人情報保護条例に基づき、提示した個人情報は適切に取り扱いされますが、個人間融資では個人情報保護条例を必ず遵守しているとは言い難いため、個人情報の取り扱いが杜撰である可能性が極めて高いと言えます。
結果的に、インターネットや悪徳業者に個人情報が流出してしまい、思わぬ損害を被るリスクがあるのです。
悪質な取り立て
貸金業法第21条第1項において、貸金業法の適用を受ける者は貸付けの契約に基づく債権の取立てをするにあたって、人を威迫し又は人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならないと明確に記載されています。
これは、やむを得ない理由などが明確でない限りは、PM9時からAM8時までの時間帯において取り立てを行ってはならないとされているのです。
また、勤務先および自宅以外の場所などに電話や訪問を行うことも禁止されています。
融資を受ける際には、保証人を設定することが一般的ですが、保証人以外の第三者に対して返済を求めてはならないとも規定されています。
このように、一般的なモラルに当てはめてみたときに不適当と思われる行為は、貸付業法において規制されているのです。
しかし、上述したように貸金業法は継続的にお金を融資するのであれば適用されますが、個人間融資のように継続的にお金を融資することを前提としていない場合は適用されません。
貸金業法が適用されないということは、夜中に取り立てようが、会社などの勤務先に取り立てようが、違法ではないということです。
民事間のトラブルについては警察も介入してくれませんので、結果的に助けてくれることはありません。
このように、個人間融資では非常に悪質な取り立てに遭うリスクが高いということです。
詐欺
個人間融資とは、あくまで「個人」が行っている融資です。
インターネットなどのSNSで知りあった人から融資を受ける話しがまとまったとして、手数料として一定金額を銀行口座などに振り込んだとしましょう。
手数料支払い後に自分の口座にお金が融資する手筈となっていたはずなのに、いきなり相手と連絡が取れなくなってしまい、手数料だけをだまし取られてしまうケースなどは珍しくありません。
このように、さまざまな詐欺に遭うリスクが非常に高いということです。
個人間融資のリスクについて理解しよう!
ここまで、個人間融資のリスクについて解説しました。
上述したように、個人間融資では高い金利の設定・個人情報の流出・悪質な取り立て・詐欺に遭うなどのさまざまなリスクが内包されていることを理解できたのではないでしょうか。
個人間融資は確かにメリットもありますが、ご紹介した内容以外にもたくさんのリスクがあることを今一度ご認識ください。
本記事が、個人間融資を検討されているいる方にとって一助となったのであれば幸いです。