個人間融資は違法?法律の観点から徹底解剖!!

みなさんは、個人間融資という言葉を耳にされた経験はありますか?

最近では、SNSなどを通じて個人間融資に関する発信が活発化しています。

消費者金融や銀行から何らかの事情で融資を受けられない人たちは、背に腹は変えられない気持ちで個人間融資を利用する方も少なくなのが現状です。

よく利用しがちな個人間融資ですが、そもそも合法なのでしょうか?

本記事では、法律の観点から見たときに個人間融資は合法なのか違法なのかについて詳しく説明します。

お金の貸し借りに関する法律とは

銀行融資・消費者金融・個人間融資などを活用した借金とは、「金銭消費貸借」と称される法律に基づいた契約行為に該当します。

正式な契約行為に該当しますので、そこにはお金を貸すことと借りることに関する複数の法律が存在します。

お金の貸し借りに関しては、大きなトラブルに発展するケースがたくさんあり、どのような法律に基づいてお金の貸し借りが発生しているのかを正しく理解することによって、個人間融資が合法なのか違法なのかについても理解を深めることができます。

ここからは、具体的なお金の貸し借りに関する法律をご紹介します。

民法

民法とは、会社などではなく一般人間で発生する問題を解決することを目的として定められている法律です。

銀行融資・消費者金融・個人間融資などを活用した借金は、金銭消費貸借に該当する法律に基づいた契約手法です。

金銭消費貸借契約を正式に成立させるための要件および責任は、民法によって定義づけられています。

お金の貸し借りには、お金を貸した側が貸したお金を回収できないことのリスクを内包しています。

そのため、お金を貸した側は借金に関する契約を行う際に、貸したお金が戻ってこなかったときのリスクヘッジとして保証人を設定することや、土地を担保した抵当権を設定することが一般的です。

これら保証人の設定や土地の抵当権設定などを借金の担保とすることは、民法で定められています。

ただし、消費者金融が提供している小口の個人向け融資は例外があり、金額が少額であれば保証人を設定や土地の抵当権設定をしなくても良い場合があります。

なお、お金を貸した側とお金を借りた側の両方に対して、約束が遵守されなかった場合などについては損害賠償請求および契約解除が可能であることも民法で定められています。

消費者契約法

お金を貸したり借りたりするためには、銀行融資・消費者金融・個人間融資を行う側とお金を借りる側で契約締結されます。

消費者契約法は、相互間において契約締結を行う際に、お金を借りた側が圧倒的に不利となるような契約が締結されないようにすることを目的とした法律です。

貸金業法

お金を貸すことを生業とするためには、内閣総理大臣(各地の財務局)または都道府県知事に申請手続きを行い、事前登録が必要です。

また、一度登録をすれば終わりではなく、3年ごとに登録更新を行う必要があります。

上述したように、お金を貸すことを生業とするためには登録が必要となりますが、登録していない者がお金を貸すことは、いわゆる「闇金」と称される無登録業者であり法律で禁止されています。

登録せずにお金を貸すことを生業とした場合、10年以下の懲役もしくは1,000万円(法人は1億円)以下の罰金が科されることとなり、法律によって厳罰に処分されます。

貸金業法は、借主を保護することを目的とした法律です。

そのため、お金を貸す側に対して、過剰な貸付けの禁止・貸付条件をだれもが分かるように提示する・誤解を与えるような誇大広告などを規制・契約書および受領証書などの書面交付を必須とするなど、さまざまな規制が明確化されています。

また、暴力行為を伴うようなひどい取立を規制することも目的としています。

なお、上述したようにお金を貸すことを生業とする者に対しての監督責任を有しているのは、財務省の管轄である金融庁および財務局と都道府県知事です。

監督責任を有しているところは、お金を貸すことを生業としているところに対して、報告徴収・立入検査・業務停止・登録抹消などの厳しい行政処分を科すことができる権限を有しています。

利息制限法

お金を借りたときに発生する利息の上限金利を定義付けている法律です。

以前は「グレーゾーン金利」と称されていた「みなし弁済規定」がありました。

しかし、これらが撤廃されたことによって金利は実質下がりました。

結果、借入金額10万円未満は年20%・借入金額が10万円以上100万円未満は年18%・借入金額が100万円以上は年15%と規定されています。

なお、利息制限法においては上記金利を超えて支払いを求められていた金額については、無効とされています。

借金が残っている場合は、上限金利を超えて支払ったお金は金利に充当されるのではなく元金に充当されます。

補足ですが上限金利を超えて支払った金額を元金に充てた結果、それでも払いすぎている状況となるのであれば、その金額に対して返還請求することが可能です。

返還請求できる金額が、最近よく耳にする「過払金」に該当します。

出資法

出資の受入れ預り金及び金利等の取締に関する法律が、出資法と呼ばれる法律です。

こちらも、高い金利設定が横行しないようにするために定められている法律であり、上述した利息制限法と明確に違う点は、処罰などに関する罰則規定があることです。

出資法に基づき、お金を貸すことを生業としている者は20%を超える金利を設定した場合は刑事罰で処分されます。

刑事罰の内容は、5年以下の懲役もしくは1,000万円(法人の場合は3,000万円)以下の罰金が適用されます。

なお、金利20%までとしなければならないのはあくまで「お金を貸すことを生業としている者」です。

逆説的には、「お金を貸すことを生業としていない個人」は該当しません。

「お金を貸すことを生業としていない個人」に対して出資法で適用される上限金利は、おどろきの109.5%となっていますので注意が必要です。

個人間融資は違法なのか

本記事のテーマでもある、個人間融資は違法なのか合法なのかについてです。

答えとしては、個人間融資を行っている形態に大きく左右されます。

貸付業法を確認すると、反復継続をする意思があってお金を貸し付けている者は貸金業法が適用されます。

従って、1回だけ個人間融資を実施する者は合法であり、何度も個人間融資をしている者は違法となります。

また、 だれでも見ることが可能なSNSなどで「お金を貸します」「融資します」などの発言をして契約締結を推進している人は、貸金業法の規定に抵触する可能性があるため違法と判断されることもあります。

このように、個人間融資は一概に合法か違法かを判断することができませんので、ケースバイケースで判断する必要があります。

個人間融資について理解しよう!

ここまで、法律の観点から見たときに個人間融資は合法なのか違法なのかについて解説ました。

上述したように、お金を貸すことを生業とするためにはさまざまな法律が関連付けられていることが理解できたのではないでしょうか。

また、個人間融資は合法か違法かを判断することは条件によって異なりますので、合法的に個人間融資を行っているところをご利用されることを強くおすすめします。

本記事が、個人間融資を検討されているいる方にとって一助となったのであれば幸いです。

個人間融資は違法?法律の観点から徹底解剖!!
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