「返済がきつい…」「このまま逃げてしまおうか」など、融資を受けているものの、返済の苦しさからこのような考えが頭を過ぎってしまうこともあるでしょう。
実際、融資を受けても返済をしない、いわゆる借りパクをする人は一定数います。
しかし、返済を行わないで踏み倒すことには大きなリスクがあるのです。
状況によっては「きちんと返済すれば良かった」「相談すれば良かった」と激しく後悔することもあるでしょう。
ここでは、融資を受けたにもかかわらず、返済しない借りパクのリスクと事例を紹介していきます。
返済が苦しくなった際の対処法も解説するので、融資を受けている人はぜひ参考にしてください。
個人間融資には返済義務はない?
そもそも個人間融資において、返済を怠るとどうなるのでしょうか。
返済に苦しんでいる人のなかには、調べたことがある人もいることでしょう。
結論からいえば、個人間融資には返済の義務は、法律で定められていません。
「義務がないなら踏み倒せるのでは?」と安直な考えを持ってしまう人も多いですが、あまりにリスクが大きいことを見落としてしまっています。
リスクを理解せず、踏み倒そうとすると、後々に大きく後悔するので、後述する事例を必ず確認しましょう。
個人間融資で借りパクするリスク例
返済義務が定められていない個人間融資ですが、借りパクするとどのようなリスクが発生するのでしょうか。
ここでは、融資に対する返済を怠った際のリスクを4つ紹介していきます。
リスク① 詐欺罪に問われることがある
個人間融資において返済しないこと自体を犯罪として裁くことはできませんが、詐欺罪もしくは詐欺未遂罪に問われる可能性があります。
詐欺罪になるには条件もありますが「返済するから貸して欲しい」と約束をしているにもかかわらず、それを反故しようとしているので、言い逃れは難しいです。
前科前歴が付く可能性、示談交渉でさらに返済額が膨らむなど、あまりにリスクが大きいといえるでしょう。
リスク② 過激な取り立てをされる可能性がある
融資者がヤミ金業者や気性が荒い人であった場合、過激な取り立てを受ける可能性があります。
融資を受ける際には穏やかに見えても、踏み倒そうとした瞬間から急変することもあり得ます。
自宅や勤務先などでの待ち伏せ、家族・友人知人にも迷惑がかかることもあるでしょう。
このような状況に陥ると、安心して生活することができなくなるので非常にリスクが高いといえます。
リスク③ 個人情報を晒される
個人情報が晒されるのが可能性として最も高いリスクです。
「個人間融資 借りパク」などでWeb検索すると、大量の個人情報が出てくるように、融資を受ける際に提示した運転免許証や保険証の情報を公開されてしまう危険性があります。
返済を行い、融資者から画像を削除してもらっても、SNSをはじめ拡散されてしまっては取り返しがつきません。
運転免許証の提示だけでもできることはたくさんあるので、このような事態を招かないよう返済するようにしましょう。
リスク④ 会社や学校にバレる
会社や学校にバレる可能性も十分にあり得ます。
具体的には、勤務先の会社や学校への連絡、口コミサイトへの書き込みなどが挙げられます。
「この学校に通っている人が返済しない」「この会社は返済しない人を雇っている」などの口コミを書きこまれてしまえば、会社や学校から事実関係の確認をされることは容易に想像がつきます。
そのような事態になれば、居づらくなることは必至なので辞める状況に追い込まれてしまう可能性もあるでしょう。
逃げることを考える前に返済相談することをおすすめする
借りる前から踏み倒すことを前提としている人は論外ですが「予定していた収入が得られなかった」「今月も支払いが苦しくて」といった、やむを得ない事情から予定していた返済ができなくなり、精神的に追い詰められて踏み倒すことを考えてしまう人もいることでしょう。
しかし、ここまでに解説してきたように、返済の踏み倒しには非常に多くのリスクがあり、一時を逃げるために借りパクしてしまうと、その後大きな後悔をすることになります。
融資者側としても、罪に訴えたり、過剰な取り立てをしたりしたいわけではありません。
返済さえしてもらえれば問題はなのです。
ただ、借り手の返済が滞ったり、連絡がつかなくなったりすることで、そのような強硬手段に出ざるを得ないような状況になってしまっているだけなのです。
当初の予定が狂ってしまうことは仕方がないことなので、正直にその旨を融資者に伝え、返済計画の変更について相談するようにしましょう。
借り手の心情として申し出にくい状況ですが、融資者の多くは相談することで返済を待ってくれるので、勇気を出して話すことをおすすめします。
まとめ
- 個人間融資において返済の義務は法的に定められていない
- 詐欺罪や詐欺未遂罪に問われる可能性がある
- 過剰な取り立てをされる可能性がある
- 家族・友人知人に迷惑をかけることになる恐れがある
- 会社や学校にバレ、辞めざるを得ない状況に追い詰められる
- 借りパクを考えるのではなく、融資者に相談するのが良い
返済が苦しくなると「返済できなかったらどうなるのか」と不安な気持ちから調べる人は多いものです。
個人間融資では、返済について法律で義務づけられておらず、精神的に追い詰められている人は自身に都合の良い解釈をしてしまい、踏み倒す(借りパク)ことを考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、返済を踏み倒すことによって詐欺罪(詐欺未遂罪)や過剰な取り立て、家族や友人知人への迷惑、会社や学校にバレるなど数多くのリスクが伴います。
一時的に苦しい状況から逃げるために返済を滞らせたことで、将来もダメにしてしまうのは非常に勿体ないことです。
融資者は、借り手を追い詰めたいのではなく、返済してもらいたいだけなので、きちんと連絡を取ることや、返済が予定通りにできない状況になった際、相談をすることで対応してくれます。 安易な気持ちで踏み倒そうとしてしまうと、一生後悔するような取り返しのつかない事態になりかねませんので、返済に困ったらここで紹介した内容を思い出すようにしてみてください。