「すぐにお金が必要で融資して欲しい」「融資を受けるための審査を通過できない」など、さまざまな理由から個人融資を利用する方がいます。
しかし、個人融資は違法性が伴うこともあり、多少の危険性が潜んでいます。こうしたリスクを把握せずに利用してしまうと、後々に大きなトラブルへと発展してしまうのです。
ここでは、個人融資を利用する際に、安全性を少しでも高めるための方法を解説していきます。
個人融資の利用を検討している方は、大きなトラブルに巻き込まれないためにも必ず確認をするようにしましょう。
個人間で融資を受ける危険性を把握しておく
安全に個人間融資を受けるために、まずは個人融資を受けることで起こり得る危険性について把握しておくことが重要です。
ここでは、クレジット会社や消費者金融業者を介さず個人間で融資を受けることの代表的なリスクを4つ解説していきます。
個人情報が悪用される可能性がある
個人で融資を受ける場合にも、借り手に対して氏名や生年月日、住所や電話番号、勤務先や収入状況などの個人情報の提示が必要です。
個人融資はTwitterをはじめとするSNSやWeb掲示板などで借り手と貸し手がマッチングすることが一般的ですが、顔も知らず、信用できるか分からない相手に個人情報を渡すことは非常に危険であるといえるでしょう。
相手が悪質な業者であれば、入手した個人情報を売買されてしまい、事件や身に覚えのない請求が届くなどトラブルに巻き込まれる可能性もあります。
「実際、融資を受けるか決めていないけど、とりあえず連絡だけしてみる」のような安易な考えでいると、融資を受けていないにもかかわらず、個人情報を悪用されてしまう危険性があるので、軽はずみな行動は取らないようにしましょう。
取り立てが厳しいことがある
クレジット会社や消費者金融業者など、しかるべき機関から融資を受けていれば、返済が滞っても法律に則って督促や財産の差押えなどの手続きが進みます。
一方、個人融資の場合、相手が闇金業者である可能性もあり、そのような相手から融資を受けて返済が滞ってしまうと、厳しい取り立てをされる場合があります。
個人情報も渡してしまっているので、自宅も職場にも逃げ場がなく、家族にも迷惑がかかることもあるでしょう。
法外な金利が設定されている可能性がある
家族や友人知人間でちょっとした金銭の貸し借りは問題ありませんが、本来融資する側は貸金業の登録を行い、法律に則ってお金を貸さなければなりません。
しかし、個人融資の場合には、このような貸金業への登録は行われておらず、出資法や利息制限法を無視した法外な金利が設定されていることが少なくありません。
たった一度の借り入れで「利息を払うだけで精一杯」「いつまでも返済の目途が立たない」などのように、その後の人生を狂わせてしまう危険性があるのです。
トラブルが発生しても自己責任
SNSや掲示板を利用しての個人融資にてトラブルが発生しても、基本的に自己責任です。
相手を訴えようとしても難しいことが多く、ほとんどの場合が泣き寝入りすることになります。
「必要以上の返済を要求されている」「会社に連絡すると脅されている」などのトラブルが発生しても、自分自身で対処しなければならないリスクがあることを理解し、それでも利用するべきなのか天秤にかけるようにしましょう。
個人間で安全に融資を受けるためのポイント
危険性があることを承知していても「他に借りられるアテがない」「金融機関の審査に通らず借りられない」などの理由から、個人融資を頼らざるを得ない方もいることでしょう。
このような状況に陥った際、少しでも安全に個人間融資が受けられるよう、ポイントを解説していきます。
闇金業者ではないか確認する
まずは、貸し手が闇金業者ではないことを確認しましょう。
闇金業者を見分けるポイントとして「ブラックリストOK」「24時間対応可能」などをアピールしていることが特徴として挙げられます。
「ブラックリストになっているのになぜ融資してくれるのか」「24時間対応できるのは組織ぐるみだからでは?」と疑うことが重要です。
また、大手消費者金融業者の名前を使っていることもありますが、そもそも大手企業がSNSや掲示板を利用して個人融資をすることはあり得ないので、騙されないように注意しましょう。
法外な金利が設定されていないか確認する
融資者はボランティアではなく、金利を設定することによって利益を得ています。
こちらの金利が法外な値で設定されていると、トラブルに巻き込まれる可能性が高いです。
例えば「金利が高すぎて月々の返済で手一杯」「いつまで経っても返済が終わらない」などが挙げられます。また、返済のために別の融資者からお金を借りるといった自転車操業状態に陥ることもあります。
個人間での融資においても年109.5%と上限が定められているので、それを超えるような金利での融資は受けないようにしましょう。
法律を把握しておく
何が合法で、どのような契約が違法なのかを判断するために、法律を把握しておくことも非常に重要です。
先の個人間での融資において金利上限が年109.5%と出資法で定められているように、貸金法や利息制限法など、個人間融資に関連する法律は最低限把握しておくようにしましょう。
これらを把握するとは、融資者を探す際や契約締結する際の判断材料に大きく役立ちます。
契約をきちんと締結する
SNSやWeb掲示板でのメッセージのやり取りだけで融資を受けるのではなく、書面で契約を締結することも大切です。その際、契約内容が融資される側にあまりに不利な条件になっていないか、違法性がないか見極めることがポイントです。
また、データでのやり取りで契約締結をすると、契約内容を改ざんされてしまう危険性もあるので、書面で割印を使うといった対策も行うと良いでしょう。
返済計画を明示してもらう
融資を受ける前に「月々いくら返済を行う」「きちんと返済をしていったら、いつまでに完済するのか」など、返済計画は必ず確認しましょう。
また、月々の返済が遅れた際のペナルティをはじめ、起こり得る事態を想定できる限り確認することが、自分の身を守ることに繋がります。
これらを怠ると「十分な返済をしているのに、さらに返済を要求される」「過剰な支払いを断ったら会社や家族に連絡すると脅される」など、トラブルに発展しかねません。
月々の返済額を事前に確認することで、本当に返済可能なのか自分自身の返済能力を見直すきっかけにもなるでしょう。
まとめ:危険性を理解しリスクを下げられるように行動する
- 個人融資を利用するには、多くの危険性があることを理解しなければならない。
- 融資者が闇金や悪質な相手でないか確認する必要がある。
- トラブルに巻き込まれないためには融資に関わる法律を把握しておくことが重要。
- 返済計画をはじめ、想定できることはすべて事前に確認しておく。
個人融資には非常に多くの危険性があり、これらをゼロにして安全な取引を行うことはできません。
一時の金策のために軽はずみな気持ちで利用してしまうと、その後の人生を大きく狂わせることも十分にあり得ます。
可能であれば、個人融資を利用せず、クレジット会社や消費者金融業者を利用すべきです。
それでも個人融資を頼らなければならない場合には、この記事で紹介したポイントを確認し、少しでも安全性を確保できるようにしましょう。