みなさんは、ギャンブルで楽しむ機会はありますでしょうか?
競馬や競艇など、公で運営されているギャンブルも多数あることから、娯楽の一種として認知されているのがギャンブルです。
節度ある楽しみ方をしている分については、ストレス発散などの効果も期待できますので問題ないと言えます。
一方、ギャンブルの怖い側面として依存性があり、それらは現在議論が加熱しているIRの開発においても度々問題視されています。
これらの背景から、ギャンブルに伴って発生してしまった借金に苦しめられている人も多いのではないでしょうか。
一度借金をしてしまうと、借りたお金を返済するまでに長期間を要することとなり、結果的に借金地獄へと追い込まれて行ってしまいます。
しかし、借金地獄となったからと言って人生をあきらめる必要はありません。
適切な手法を講じることによって、借金地獄から抜け出すことも可能なのです。 本記事では、ギャンブルの借金返済リスクおよび借金地獄から抜け出す方法について、詳しく説明します。
ギャンブルの借金返済リスクについて
ギャンブルでの借金は、一般的な住宅ローンやマイカーローンなどとは大きく異なります。 借金の理由が明確にギャンブルということなので、ギャンブルに伴ってできた借金を返済するには、さまざまなリスクがあることを知らなければなりません。よってここからは、具体的なリスクについて説明します。
リスク①取り立てが開始される
ギャンブルでの借金は、一般的な住宅ローンなどと違ってコントロールすることが難しくなっています。
それは、ギャンブル依存症に起因しているからです。
ギャンブルをやめようと思ってもやめられず、借金ばかりが増えて行ってしまいます。
また、ギャンブル依存症による事例として、自分で稼いだ給料以上にギャンブルへとつぎ込んでしまう傾向が見られます。
そうなると、返済するお金は手元に残らず、ギャンブルをするための借金ばかりが増えるという悪循環になってしまうのです。
そして、借金の返済が滞ると、金融業者による督促が始まります。
最初は電話による督促が行われますが、それでも返済に応じない場合は督促状や催促状が送付されます。
借金している期間にもよりますが、自宅や会社にまで押しかけて来るケースもありますので、社会的地位も危険にされされるリスクがあるのです。
リスク②ブラックリストに掲載される
借金返済が滞りだして約2ヶ月後には、借金を返済できていない事実が信用情報機関へ報告されます。これが、一般的に言われるブラックリストへの掲載です。
ブラックリストに掲載されてしまうと、新たなローンを契約・クレジットカードの発行・クレジットカードの利用などが制限されてしまいます。
例えば、住宅を購入の際、住宅ローンを活用できなくなります。
住宅を現金一括払いで購入することは非常に困難であるため、住宅購入はできなくなります。
このように、ブラックリスト掲載者は人生を制限されることとなります。
リスク③自己破産ができない
借金を無くす手法の1つとして、自己破産があります。
自己破産とは、財産や収入が不足してしまい、借金返済の見込みがないことを裁判所を通じて認めてもらい、借金の支払いを免除してもらう手続きを指します。
自己破産は法律上において定められており、破産法で定義付けされています[平沢1]
また、自己破産には2パターンあり、財産を現金化して借金を可能な限りの返済する「破産」と、借金を完全になくしてしまう「免責」があります。
破産法により自己破産を適用させるためには、自分もしくは司法書士や弁護士などによって 「破産手続き開始および免責許可申し立て書」といった必要書類を作成する必要があります。
必要書類が整えば、裁判所に提出して破産および免責の両側面から手続きを開始します。
ここでの注意点は、競馬・競輪・パチンコといったギャンブルは、借金を完全になくしてしまうことができない「免責不許可事由」に該当しますので、自己破産することができません。
なお、株取引・FX・不動産などの投資・投機の借金や趣味・娯楽の借金も、同様の扱いとなっています。
借金地獄から抜け出す方法5選
借金地獄に陥ってしまっても、そこから抜け出せないわけではありません。
適切な手法を講じることによって、借金地獄からは抜け出せることができるのです。
ここからは、借金地獄から抜け出す方法5選を紹介します。
方法① 支出の見直し
収入源となる給料などは、短期間で劇的に増えるわけではありません。
そのため、借金返済に充てるお金を捻出するためには、月々の固定費などを見直して支出を抑えることが重要です。
光熱水費などは、こまめに電気を消したりエアコンの設定温度を調節したりすることで削減が可能です。また、携帯電話料金などは格安SIMを契約することでかなりの金額を節約することが可能でしょう。
上述したような支出は、いわゆる「ランニングコスト」に該当します。
ランニングコストは、少しの金額であっても数十年単位の長い年月で考えると、非常に大きな支出となる項目です。
そのため、借金返済に充てる金額を増やすためには、ランニングコストを削減することが極めて重要です。
方法② 借入先を一括集約する
借入先が複数にまたがっている場合は、それだけ手数料も発生していることになります。
そのため、本来であれば支払わなくて良い手数料まで支払っている可能性があるのです。
借金しているところが複数あれば、それを1社に集約させることで手数料の減額が期待できます。
方法③ 弁護士に相談する
借金問題は、債務整理などを行うことで解決できる可能性があります。
そして債務整理は、自己破産の手続きを行うなど法律との関係性が非常に深く関わっています。
そのため、弁護士や司法書士など法律の専門家に相談することは極めて効果的であるといえます。
当然、弁護士や司法書士などに相談すると相談料が発生してしまうケースもあります。
しかし、最初の相談は無料という弁護士事務所もありますし、中長期的にみると弁護士費用よりも、借金返済に伴う金利の支払や返済が滞ることによる社会的信頼度の失墜を考慮すると、安い出費であると言えるのではないでしょうか。
このようにメリットがたくさんあるので、弁護士などに相談することを強くおすすめします。
方法④裁量免責を適用させる
上述したように、ギャンブルに伴う借金は「免責不許可事由」に該当することから、自己破産は極めて困難となっています。
しかし、これには例外規定が設けられています。
具体的な事例は、借金をした人に対して誠実にお金を返そうと努力していることや、これからの人生を全うに生きようと決意する態度[平沢2] などです。
このように、誠実な対応をしているとギャンブルに伴う借金であったとしても、裁量免責が認められて自己破産可能となる場合があります。
裁量免責とは、原則的には認められない借金による免責を、裁判所の個別判断によって認めることができる制度です。
これは「どのような事情で借金したのか」「今後において更生する見込みはあるのか」などが判断基準となります。
このように、情状酌量の余地が見込まれる制度ですので、弁護士などに相談してこの制度が活用できるようであれば検討されると良いでしょう。
ギャンブルによる借金地獄から抜け出そう!
ここまで、ギャンブルの借金返済リスクおよび借金地獄から抜け出す方法について解説しました。
上述したように、ギャンブルに伴う借金には大きなリスクがあることを忘れてはいけません。
また、適切に対処することによって抜け出せることを理解できたのではないでしょうか。
本記事が、ギャンブルの借金によって苦しんでいる方にとって一助となったのであれば幸いです。